本の題名は『はじめてリーダーになる君へ』
著者は浅井浩一さん
発行者はダイヤモンド社
2013年8月29日第1刷発行
著者の浅井浩一さんは、大学卒業後、JT(日本たばこ産業)に就職されています。
「勤務地域限定」の地方採用として入社されていますが、日本一小さな工場から本社勤務、営業経験もなく全国最年少営業所長を経て職場再建のプロと称されるまでになられた方です。
絶対偉くなれない立場からキャリアをスタートし、著者がどのようにして職場再建のプロと称されるまでになったのか?
そのチーム作り、リーダーとしての考え方をまとめらているビジネス書です。
僕は年が明けた2014年1月から社内の新しい企画のプロジェクトマネージャを任されることになりました。
僕はサイドビジネスを通して成功哲学、成功者の思考、目標設定の正しいやり方、またその達成方法について、フツーのサラリーマンが会社に通っているだけでは学べないことを学んできました。
その中で、コーチングやリーダー理論についても幾度となくセミナーにも参加して学んでおり、またそれをサイドビジネスの中で実践してきました。
ただ、会社の組織の中で働く人たちの低いモティベーションの中でこの考え方を実践したところで暖簾に腕押しの状態であることは明白ですし、実際もそうでした。
それはすべての会社、すべてのサラリーマンがそうとは言いませんが、私の勤務する会社ではそうだったということです。
そもそもサイドビジネスをやってまで自分を高めていこうと考えている人たちと、会社の仕事だけでなんとかなると思っている人たちでは意識が違いすぎます。
その中で、今度の新しい企画はその内容と達成期間を鑑みても物理的に非常に困難な状態であることが今の時点で分かっています。
それでも馬鹿な野郎どもは、期間に見合った企画に修正することも、もしくは期間を見直すこともせずに、チャレンジしろではなく、達成しろというのです。
そんなとき、この本のタイトルと著者の紹介が気になりました。
著者は、文頭にいきなりリーダーは有能である必要はない、逆に無能である方がよい的な発言をされています。
「プレーヤーとしての優秀さ」と「リーダーとしての優秀さ」はまったくの別物だそうです。
よって、まず『リーダーは「優秀さ」を捨てなさい』から始まります。
そして、リーダーに必要な5か条とは?
①自分にできることは懸命にやる
②できないことは部下に甘える
③自分の優秀さをアピールしない
④部下に誠実な関心を持つ
⑤事実に基づく
本書の中ではこの「リーダーに必要な5か条」の意味や価値、それに付随する実践方法を紹介されています。
この5か条の実践方法を紹介されている中で、リーダー5つのルールとして章立てをされています。
第1章 利口になるより、バカになろう (心構え)
第2章 本気で部下に甘えよう (コミュニケーション)
第3章 「一人」との向き合い方を「みんな」が見ている (部下育成)
第4章 結果よりも、プロセス(行動)を見る (マネジメント)
第5章 正直で、助け合えるチームを作る (チーム作り)
本書の中で僕が一番印象に残ったことは、PDCAサイクルの浅井流解釈です。
簡単にご紹介すると通常PDCAサイクルと言えば、Pとは「PLAN(計画、戦略)」のことで、Dは「DO(実行、実施)」、Cは「CHECK(管理、点検)」、Aは「ACTION(改善、見直し)」を指しますが、浅井流解釈は違います。
PDCAの「C」はチェックではなく、『ケア』だと考えていらっしゃるということです。
チームとして、あるいは個人として目標を設定したり、計画を立てたら、次は行動に移します。すると、何らかの結果が出てくるのですが、その内容をチェックするだけでは「正直で、助け合える組織」は作れないそうです。
大事なのは、その結果を受けてケアをすることだそうです。
リーダーは「チェックするのではなく、ケアをする」という意識が必要だとおっしゃいます。
ここは本書を読み進めていくとその理由が納得できます。
自己啓発本に対しては、人それぞれに捉え方は異なると思いますが、これからはじめてリーダーになられるあなた、斜め読みでも構いませんのでぜひ手に取って読んでみては如何でしょうか。